食事管理

ダイエットに必須の食事管理『GI』の基礎知識

GI値の低い食品の選び方を知りたい!

GI値が低いと太りにくいのはなぜ!?

食べ方でGI値って変わるの??

この記事では、そういった内容にお答えします。

GI値を意識した食事管理は、カロリー管理と同じくらい重要なダイエットの知識と言えます。

GI値について詳しくなることは、糖質で太るメカニズムの基本を知ることだからです。

でも、単に「GI値の低い食品を選んで食べればいい」と思っていたなら、食事管理としてほとんど使い物になりません。

なぜなら、GI値は食品単品で摂取した場合の値であるため、調理法や食べ合わせで変化するからです。

また、一度に食べる分量は考慮されていないので、それを知らないとGI値が高い食品を避けてしまい、本来少量でも栄養素として摂るべきものを避けてしまう間違いを起こします。

効果的なGI値を意識した食事管理を行うためには、詳しい知識を身につけておく必要があるのです。

この記事では、GI値の基本、血糖値で太るメカニズム、GI値が低くなる食べ方や調理法、注意点などを解説しています。

ダイエットの自己管理力を高めるために、カロリーだけでなく、GI値を意識した食事管理も身につけましょう。

GI値一覧表をすぐみる→

ダイエットに生かせる「GI値」の基礎

ダイエットをするとき、GI値は大事な食事管理の指標になります。

「何となく」から「詳しく」知ることで、一歩上のダイエットを目指しましょう。

GI値とは、血糖値の「上がりやすさ」

「GI」とは、Glycemic Index(グリセミックインデックス:血糖指数)の略で、「血糖値をどれだけ上昇させやすいか」を示す指標です。

GI値の定義

ブドウ糖50gを摂取したときの血糖値の上昇率を「100」とし、「炭水化物50g分」の食品を摂取したときの血糖値の上昇率を「GI値」といいます。

たとえば、炭水化物50gを含む「うどん」のGI値は「85」です。これは、うどん1玉230gに相当します。

GI値が高いほど糖が吸収されやすく、血糖値が上昇しやすい食品ということです。

ブドウ糖の血糖値上昇率100を基準として、以下のように定義されます。

  • 高GI:70以上
  • 中GI:56~69
  • 低GI:55以下

血糖値の管理って大事なの?

血糖値とは、血液中の「ブドウ糖(グルコース)」の濃度。

この濃度が高い(高血糖)状態は、糖を体脂肪に変えやすいので、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こします。

また、糖が多いドロドロ血の状態は、血管を傷つけやすく詰まりやすいため、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の重大疾患を引き起こします。

そのための予防として、血糖値の上がりやすさを判断する指標、「GI値」があるのです。

血糖値の安定化と太るしくみ

ごはんなどの炭水化物は分解されてブドウ糖となり、腸から吸収されます。

通常、血糖値は一定値に安定するようにコントロールされますが、飲食をすると吸収されたブドウ糖が血液中に取り込まれて血糖値が上昇します。

すると、それを下げるために膵臓からホルモンの「インスリン」が分泌されます。

インスリンは、体の中で唯一血糖値を下げる役割があります。インスリンが分泌されない状態、またはインスリンが効きにくい状態が「糖尿病」です。

血糖値が上がると、増えたブドウ糖はインスリンの作用によって、必要としている細胞に次の順番で届けられます。

~血液中に増えたブドウ糖が利用される順番~

  1. 細胞に取り込まれ、エネルギー源となって消費
    (エネルギーが必要なければ、次へ)
  2. 肝臓や筋肉に、グリコーゲン(糖の貯蔵形態)として貯蔵
    (ここでの貯蔵量がいっぱいになると、次へ)
  3. 脂肪細胞に、中性脂肪として貯蔵
    (ここでは貯蔵量に制限なく蓄えられる)

こうして、血液中のブドウ糖が減り、血糖値が下がって安定していくのです。

つまり、血液中にブドウ糖が増えすぎると、血糖値を一定値に下げるためにインスリン分泌量が多くなり、どんどん体脂肪へと変えていくのです。

ダイエットはインスリンを大量分泌させないことがポイントなんです!

「血糖値の上昇スピードが速い」と「インスリンの分泌量が多くなる」

血糖値が上がるとインスリンが分泌されますが、血糖値が急激に上がると、それに合わせてインスリンも大量に分泌されます。

すると、結果としてインスリンが分泌されすぎて、今度は血糖値が下がりすぎてしまいます。

これを繰り返しながら、血糖値は一定値へと安定していきます。

この急激な血糖値の上昇を「血糖値スパイク」といい、糖が増えすぎるので血管を傷つけやすく、血管壁にも堆積しやすくなるため、動脈硬化などを引き起こす原因となります。

インスリンは、すばやく血糖値を下げるために、積極的にブドウ糖を中性脂肪に変えようとするのです。

「カロリーが高い = GI値が高い」ではない

「カロリーが高い食べ物は、GI値も高い」と思っている方がいますが、これは間違いです。それぞれの定義は、

  • カロリー:エネルギーそのもの(実際は、エネルギーの単位のこと)
  • GI値:血糖値の上がりやすさ

です。具体例でいうと、たとえば、

  100g当たりのカロリー GI値
ジャガイモ 76 kcal 90
サツマイモ 132 kcal 55

→ サツマイモはジャガイモより、カロリーは高いがGI値は低い。

  100g当たりのカロリー GI値
うどん 105 kcal 85
そば 114 kcal 54

→ そばはうどんと同等のカロリーだが、GI値は低い。

このように、カロリーと血糖値は相関がありません。

GI値が低い食品は、太りにくい

GI値が低い食品は、血糖値の急上昇を抑えるので、健康にも、ダイエットにも有効です。食後にジワジワと血糖値が上がっていくため、

  • 空腹感になりにくく、食欲や甘いもの欲求が抑えられる(腹持ちがよい)
  • インスリンの分泌量が抑えられ、体脂肪になりにくい

のです。

色が濃い食品は、GI値が低い傾向

一般的に、

  • 精製されて白いもの:GI値が高い
  • 無精製に近く色が濃い(茶色)もの:GI値が低い

という傾向があります。たとえば、

  • 精白米 88 ↔ 玄米 55
  • 食パン 95 ↔ ライ麦パン 55
  • うどん 85 ↔ そば 54

穀類は精製されるほど食べやすくなりますが、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が失われてしまいます。

加工されずに自然に近い食品ほど、ダイエットにも健康にも良いと言えますね。

GI値を利用した食事管理の流れ

GIについて認知は広がっていますが、世の中の流れはどうでしょうか。

世界の状況

  • オーストラリア・ニュージーランド:食品基準コードで「GI値」について定義付けしており、低GI食品にはシンボルマークの表示が可能。
  • 南アフリカ:GIに関するパッケージ表示に規則を制定。
  • 中国:GI値が55未満ならば、低GIであることを示すことが可能。
  • アメリカ:米国糖尿病学会はGIの活用を推奨。食品医薬品局(FDA)はGIの表示に関して規定していない。
  • 欧州:GIに関してエビデンス不足なため具体的な推奨はしていない。一部の欧州諸国で国内の食事摂取基準では考慮。
  • 日本、韓国、カンボジア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム:GIのパッケージ表記に関する定めはない。

参考:食品パッケージへのグリセミックインデックス(GI)の表示 | 世界各国の現状 スポーツ栄養Web

11月1日は「低GIの日」(日本)

GI値を重視した健康的な食習慣を目指す目的で、「11月1日」が「低GIの日」として登録されました。

「カラダにいい(=11)指標(=Index)」で、11月1日だそうです。

参考:日本 Glycemic Index 研究会 プレスリリース

「GI値」は調理法によって変わる

公表されているGI値のデータは、調理していない、もしくは簡単に調理した状態の食品単品がほとんどです。

ですが実際、そのまま食べることは稀です。

GI値そのものは、単品の食材選びの参考となりますが、調理法によって変化してしまうのです。ではどの程度変わるのか、具体例で見てみましょう。

こちらは、ブログサイト「おいも美腸研究所」の記事から抜粋させて頂いたものです。

サツマイモのGI値は「55」で低GIですが、下記のように調理法によって大きく変わってきます。

調理法 GI値
サツマイモ(生) 55
干す 55
焼く 80~85
茹でる 40~50
蒸す 45~50
油で揚げる 70~80

「サツマイモ」のGI値が調理で変化する理由は、2つあります。

  1. 加熱されることで麦芽糖に変化し、消化・吸収しやすい状態になる
    未調理のデンプンより加熱分解された麦芽糖の方が、分子構造が小さいので腸に吸収されやすい。
  2. 加熱によって血糖値の上昇を抑えるポリフェノールが分解される

加熱、加圧、加水などによって、分子構造が変化して、吸収しやすく血糖値が上がりやすく(GI値が上がりやすく)なるのです。

GI値は血糖値管理として意識すべき指標ですが、条件によって変化するものと認識しておきましょう。

「GI値」が低くなる食べ方

GI値は食べ方によっても左右されます。

食物繊維を先に食べる!

食物繊維が豊富な野菜を先に食べましょう。

人の腸は、食物繊維を消化吸収できないため、糖質よりも先に食べることで腸の壁で堤防のような役目をし、糖の吸収をゆるやかにします。

~食物繊維が多い食品~

野菜、豆類、きのこ、海藻、こんにゃくなど。

食物繊維の推奨摂取量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、

  • 女性:18g以上
  • 男性:21g以上

参考までに、食物繊維が豊富な食材ベスト10は、以下のとおりです(100g中に含まれる食物繊維の量)。

  1. こんにゃく 79.9g
  2. あらげきくらげ 79.5g
  3. てんぐさ(粉寒天) 79.0g
  4. てんぐさ(角寒天) 74.1g
  5. 凍みこんにゃく 71.3g
  6. しろきくらげ 68.7g
  7. 干しわらび 58.0g
  8. きくらげ 57.4g
  9. えごのり(素干し) 53.3g
  10. 干しひじき(鉄釜で煮熱後乾燥させたもの) 51.8g
    同10位:干しひじき(ステンレス釜で煮熱後乾燥させたもの) 51.8g

参考:食物繊維たっぷりな食品ベスト10! 摂取効率の良い食べ方は? | NUTRILITE

食物繊維は、

  • 血糖値の上昇を抑える
  • カロリーが低い
  • 便秘や肌荒れ改善効果

で一石三鳥です!

食べる順番がある

栄養素によって血糖値の上がりやすさが違います。

先に食べた物によって、腸の表面がバリアされるイメージで、「糖質」の消化吸収がゆるやかになります。

  1. 食物繊維
  2. 脂質
  3. タンパク質
  4. 糖質

食物繊維は、そもそも腸で吸収されないので、もっとも上がりにくいのです。

血糖値を上げないためには、この順番が推奨されますが、細かいことを言わずに、

血糖値を上げやすい「炭水化物(糖質)」を後回しにすること!

を実践してみてください。

【ポイント】上がりにくい順番に食べることが、ダイエットのコツ。

食べ合わせを考える

食べる順番と似ていますが、料理の仕方で一緒に使う食材によってもGI値は変化します。

一般的に、GI値が高い炭水化物料理は、野菜、きのこ、肉、魚、油脂、調味料などのGI値が低い食品と組み合わせることで、低くなります。

こちらは、実際に血糖値測定器で比較した「白米 vs チャーハン」の食後血糖値の変化です。

チャーハンの方が、明らかに血糖値の上がりが緩やかです。

もう1つ、「白米 vs 納豆+白米」の比較結果です。

やはり「納豆+白米」の方が、血糖値の上がりは緩やかになりますね。

食事は3食しっかり摂る

1日に摂取するカロリーを同じにした場合、1食より2食、2食より3食に分散させて食べる方が、血糖値の上昇率を抑えられます。

3食しっかり食べる方が、血糖値の上昇率を抑えられ、太りにくい食べ方と言えます。

午前と午後におやつタイムを入れて5食にすれば、もっと効果的!

食事を抜くのではなく、分散して食べましょう!

以上この章でお伝えしたいのは、

高GI食品を避ける必要はなく、食べ方の工夫で低く抑えることができる!

ということ。ポイントは以下の通りです。

  • 最初に食物繊維を摂る
  • 食べる順番:食物繊維→脂質→タンパク質→糖質 「糖質は後回し」
  • 糖質を単品で食べない
  • 分散して食事を摂る
  • 空腹状態でいきなり糖質を摂らない

このことをしっかり理解し、栄養が偏らないようにGI値を下げる工夫をしながらダイエットしましょう!

スマホ便利検索「GI値」一覧表

GI値や血糖値のしくみについて詳しくなれたと思いますが、実際に自分で食品を選べないと意味がありません。

ここではよく食べる食品のGI値を、ジャンル別に見やすく表とグラフにしてみました。

いつでも確認できるように、下のページをブックマークすることをオススメします。

見やすい!食品のGI値一覧表

選び方のコツ

  • 穀類は色の濃い食材を選ぶ(精製されていないほどよい)
  • 調理法も含めた食材選び

「GI値」を利用する注意点

GI値にこだわり過ぎると、食品選びがむずかしくなったり、食べたい物を我慢したりで食生活が窮屈になってしまいます。

食品のGI値は、あくまでその食品をそのまま食べたときの値です。そのため、GI値を食事管理の参考にするときには、前提とする必要な知識と注意点があります。前の章でご説明した内容をふまえて、それらを紹介します。

調理法で変わる

GI値は調理法(生、茹でる、蒸す、煮る、焼く、揚げる、干す)によって変化します。

要するに、ブドウ糖の吸収のしやすさなので、体に吸収しやすくなれば血糖値は上がりやすいのです。

一般的にGI値が高くなりやすい(血糖値が上がりやすい)食べ方は、

  • 冷たいより、温かい
  • 堅いより、やわらかい
  • 乾燥より、水分多い

感覚的に言えば、食べやすくするほど、GI値は上がりやすくなるということ。

GI値と調理法をセットで、食材選びをするのがGood!

食べ合わせで変わる

炭水化物(糖質)を単品で摂ると、血糖値が急上昇します。

何かと一緒に食べたり、何かを混ぜたり、食べる順番を後回しにすることでも、GI値を下げる効果が十分あるのです。たとえば、

~何かと一緒に食べる、混ぜる~

  • ごはん系:納豆ごはん、カレーライス、ピラフ、のりで巻いたおにぎり
  • うどん系:カレーうどん、焼きうどん、味噌煮込みうどん

~食べる順番を考える~

たとえば、「豚の生姜焼き定食」の場合、

キャベツの千切り(食物繊維)→豚肉の生姜焼き(脂質とタンパク質)→ごはん(糖質)の順に食べる。味噌汁、漬物はお好きなタイミングで。

1品ごとに完食していく必要はありませんが、この順番を意識して胃に入れていく感じです。

GI値は低いけど、太りやすい食品

GI値が「55以下」は低GI食品です。コーラやフルーツジュースは、低GIですが太りやすいのです。それぞれのGI値は、

  • コーラ:47
  • オレンジジュース(100%):42

その理由は、同じ糖類でも、ブドウ糖(グルコース)ではなく、「果糖(フルクトース)」を多く含むからです。

血糖値とは、ブドウ糖の濃度のこと。そのため、ブドウ糖よりも「果糖」が多い場合、血糖値は上がりにくくなるのです。

血糖値が上がりにくいと、インスリンの分泌が抑えられるので、低GIは太りにくいというわけです。

なぜ、「果糖が多いと太りやすい」のか?

「果糖」は吸収されると血液中に放出されず、直接肝臓に取り込まれて、中性脂肪へと変換されやすいのです。

また、オレンジは低GIだけれど「果糖」を多く含みます。ですが同じ量の果糖でも、オレンジを果物として「食べる」のと、ジュースとして「飲む」のとでは、太りやすさが違います。

  • 果物として食べる…食物繊維を同時に摂取できるので、果糖の急激な吸収をふせぐ
  • ジュースとして飲む…果糖の吸収がよい

「果糖」の甘さは、砂糖(ショ糖)の約1.5倍、ブドウ糖の約2倍あるため、甘味料として飲料に多く使用されます。

「果糖」を多く含む飲料は、

  • 炭酸飲料
  • スポーツドリンク
  • 栄養ドリンク

などがあります。

原材料表示を見ると、「果糖」をどれくらい含むか目安がわかります。

  • ブドウ糖果糖液糖:果糖50%未満
  • 果糖ブドウ糖液糖:果糖50~90%未満
  • 高果糖液糖:90%以上

果糖はGI値が低く血糖値を上げないが、太りやすいので要注意!

高GI値の食品が、太りやすいとは限らない

GI値が高くても、摂取量が少なければ血糖値はあまり上がりません。なぜなら、GI値は実際に食べる分量は考慮されていないからです。

GI値の定義は、「50gの炭水化物を含む食品を食べたときの血糖値の上昇率」です。

たとえば、「ニンジン」のGI値は「80」です。これは、50gの炭水化物を含むニンジンのGI値という意味で、約5本分に相当します。これほどの量を一度に食べませんよね。

つまり、GI値が高くても量が少なければ問題ないのです。むしろ、栄養価の高いニンジンを避けるのはおかしなこと。少量ならば気にする必要はありません。

この問題を解消する考え方で、「GL値(Glycemic Load)」があります。これは、一度に食べる量を考慮した数値となっています。

食品の「GI値」と「炭水化物の含有量」がわかれば、下の式で計算できます。

GL値 = GI値 × 各食品の炭水化物量 ÷ 100

こちらの方が実際の食生活に近い考え方なので、併せて覚えておきましょう。

GL値については、詳しくはこちらを参照してください。

まとめ

ダイエットでは、カロリー意識も必要だけれど、加えて血糖値の管理意識は、「超」がつくほど重要です。

太る栄養素としては、脂質よりも糖質の寄与度が大きく、特に日本人の食生活は糖質が多くなりがちです。

血糖値が上昇するほど、素早く下げようとインスリンが過剰に分泌され、それによって糖が体脂肪に変わりやすくなるのです。

ダイエットの基本は、できるだけ血糖値を上げずに、いかにインスリン分泌を抑えるかがカギ!

カロリーだけでなく、GI値を意識した一歩上のダイエットで、自己管理力を上げていきましょう。

GI値の一覧表もぜひ、活用してみてくださいね。→食品のGI値一覧表

参考ページ: