体のしくみ

ダイエット効率アップ!痩せるための『基礎代謝』と『生活習慣』の知識アップグレード

人体イメージ図

ダイエットするなら、効率よく痩せたいですよね。

ダイエットでは『基礎代謝を上げることが大事』と言われます。

 

でも具体的に、『基礎代謝を上げる方法』は何かご存じでしょうか?

疑問を抱く女性

この記事では「ダイエットにおける基礎代謝」について、次の3つのポイントで解説します。

  • 基礎代謝について詳しくなる
  • 基礎代謝量、消費カロリー、摂取カロリーの計算方法
  • 基礎代謝を上げる、下げる生活習慣

これらを理解すれば、あなたの現状を知り、何をすべきか判断できるようになります。

にわか知識のダイエットを卒業し、体のしくみを理解したダイエットができるように、先ずは「基礎代謝」の理解からはじめしょう。

 

基礎代謝エネルギーをすぐ計算したい!

 

ダイエットにおける「基礎代謝」の知識

先ずはダイエットする上で「基礎代謝」とは何かを理解しましょう。

基礎代謝とは

基礎代謝とは、「生命維持に最低限必要なエネルギーの代謝」です。

 

私たちの体内では、生命維持のため無意識に、

  • 呼吸
  • 内臓の活動
  • 血液の循環
  • 新陳代謝
  • 体温調整

などに、寝ても覚めても、体を正常に保つように無意識にエネルギーが使われています。これを総称して「基礎代謝」と呼んでいます。

「何もしなくても消費されるエネルギー」 なのです。

 

 

基礎代謝の消費エネルギー

体内で消費されるエネルギーは大きく3つに分類されます。

体内の「3大エネルギー代謝」

  1. 基礎代謝

    生命維持に必要な最低限のエネルギー代謝

  2. 活動代謝

    身体を動かすときに必要とされるエネルギー代謝

    運動、仕事、家事、勉強、読書など

  3. 食事誘導性熱産生

    食事をすることで誘発されるエネルギー

    栄養素の消化・吸収により、その一部が体熱となって消費される

 

それぞれの比率は下図の通りです。

このように、基礎代謝は全エネルギー消費の 約60% も占めているのです。

 

ダイエットでは基礎代謝を上げるよりも、先ず、下げないことが大事!

 

基礎代謝エネルギーの内訳

基礎代謝で消費されるエネルギーは、体のどこで消費されているのでしょう。

下のグラフをご覧ください。

 

ダイエットでは「筋肉を付けて基礎代謝をアップが効果的!」とよく聞きますが、意外にも「筋肉(骨格筋)」による基礎代謝はたった22% 、「肝臓」と「脳」はほぼ同じ20%のエネルギーを消費しているのです。

さらに、最も活動していると思われがちな「心臓」は、「肝臓」の半分もありません。

肝臓はエネルギーを消費する最大の臓器なんです!

 

ダイエットにおける「基礎代謝の管理」とは

ダイエットで基礎代謝を上げることは効果的です。何もしなくてもエネルギーを消費するわけですから。

  • 基礎代謝が上がると、ダイエット効率が上がる → 痩せる

  • 基礎代謝が下がると、ダイエット効率が下がる → 太る

 

では、基礎代謝が「上がる」「下がる」とは、具体的にどんな時でしょうか。

基礎代謝は、自分の意思でコントロールすることはできません。

お伝えしているように、基礎代謝は「生命維持の必要最低限のエネルギー代謝」です。

意思とは無関係に、脳によって体の状態がモニターされ、コントロールされています。

しかし、「間接的」にはコントロールすることができます。

 

それには2つの方法があります。

  1. 「筋肉」を増やす・使う → エネルギー消費を増やす
  2. 「内臓」機能を低下させない → エネルギー消費を下げない

 

つまりこれが、『ダイエットにおける基礎代謝の管理』となるわけです。

具体的には、次の項でご説明しますね。

たくさん勉強して「脳」を使うと痩せるの!?”

「脳」も基礎代謝によってエネルギーを消費します。

ですが、「脳を使うほど、エネルギー消費が増えて痩せる」というのは間違い!

脳は部位によって役割が異なります。

特定部分の活動が活発化すると、そこに血流が集中し脳のエネルギー消費の分布は変化します。

脳を使う部分が変化するだけで、脳全体としてエネルギー消費が大きく変化するわけではないのです。

残念ながら、たくさん勉強してもダイエットにはなりません。

参考:認知機能を脳循環代謝画像から繙く | 長田乾(横浜総合病院 臨床研究センター)

 

基礎代謝を「上げる方法」と「下げない方法」

ダイエットにおける基礎代謝の管理は、

  1. 「筋肉」を増やす・使う → エネルギー消費を増やす
  2. 「内臓」機能を低下させない → エネルギー消費を下げない

ことが大切とお伝えしました。

具体的にみていきましょう。

 

 (1)「筋肉」を増やす・使う

基礎代謝を上げるには、「筋肉を増やす」こと、そして「使う」ことが必要です。

基礎代謝なのだから、筋肉を使うことはもはや「活動代謝」では!? と思うでしょう。

それについて解説します。

「筋肉を使う」ことで「基礎代謝」が何倍にもなる

一般的には、

「筋肉量が増えると、筋肉そのものの消費エネルギーが増えるので痩せる」

と考えられています。

 

でも実際は、

「増やした筋肉量」よりも「増えた筋肉による体内の活性化」によって、エネルギー消費が大幅に増える!

のです。

 

ある調査結果で、筋肉量 20 kg の人が筋トレをして、3ヶ月後に10%増加し22 kgになったときの、エネルギー消費の変化を確認しました。

ふつうに考えれば、基礎代謝によるエネルギー消費の増加も 10% となるところが、実際、40 % も増えたのです。

筋肉量:10%増

基礎代謝:40%増

なぜでしょうか?

これは、

「筋肉を使わなくても筋肉への血流量が増加し、基礎代謝エネルギーが増えた」

ということです。

つまりそれは、

「筋トレという運動行為によって、筋肉の状態が変化した」

と考えられるのです。

以上から、筋肉量を増やすだけではなく、筋肉を使って血流量を上げてやることが、筋肉を使わない休息中でも、基礎代謝エネルギーの消費が持続することにつながるのです。

つまり、

「筋肉を増やし、使うこと」

によって、基礎代謝による消費エネルギーを大幅に上げ、ダイエット効果を高めることができるのです。

参考:筋トレまるわかり大事典 | 谷本道哉(筋生理学者)

「筋肉を増やす・使う」ダイエット効果

  • 筋肉を増やし、エネルギーを消費する場所を増やす
  • 筋肉を活性化し、筋肉の血流量を上げて代謝を促す

筋肉に刺激を入れて活性化させることが、基礎代謝アップのカギ!

 

(2)内臓機能を低下させない

基礎代謝エネルギーの内訳で、内臓が60%を締めています。

当然ながら、内臓の機能が低下すれば、基礎代謝による消費エネルギーも落ちてしまいます。

そうなれば、痩せにくくなることは理解できますね。

ここでは、それぞれの内臓機能を低下させる原因について解説します。

肝臓

基礎代謝エネルギーで肝臓が占める割合は、約20% 。

常に鼓動している心臓でさえ 9% ですから、いかに活発かが理解できます。

たとえば、一般女性の1日の消費エネルギー 2000kcalなら、基礎代謝は60%の1200kcal。その20%が肝臓ですから、240 kcal となります。

これは、体重55kg、時速4kmのウィーキングで、約1時間20分 の消費エネルギーに相当します。

そう考えると、ダイエットでも肝臓の健康にも意識が必要、と思えてきますね。

 

肝臓の役割

細かく数えると500以上もの役割があると言われますが、主なものは次の3つです。

  1. 代謝機能
    摂取した栄養を分解・合成し、エネルギーに変える
  2. 解毒作用
    アルコール、アンモニア、薬剤などの有害な物質の毒性を下げ、排泄する
  3. 胆汁の生成
    胆汁を生成し、血中コレステロール値を調整し、脂質の消化吸収を助ける

参考:肝臓の役割 | あすか製薬

 

肝臓の機能を低下させる原因

肝臓は「沈黙の臓器」と言われます。

障害が起こっても自覚症状がなく、検査するまで異常がみつからないことが多いです。

主な原因は、

  • アルコールの飲み過ぎ
  • 内臓肥満
  • 栄養不足
  • ストレス
  • 肝炎、肝硬変

上の3つは、食生活の管理ですね。このブログにも関連記事がありますので、読んでみてください。

ストレスが掛かると、肝臓の活動を活発にする副交感神経が不安定になり、機能低下します。

肝炎は、肝炎ウイルスが原因となることが多く、諸症状が見られ、血液検査で確認できます。

参考:
・肝臓と疲労の意外な関係 | オルニチン研究会
・【ウイルス性肝炎】 日本人に最も多い肝臓病 | 全国健康保険協会

 

肝臓の状態はここをチェック!

ダイエットでそんなことも意識するの!? と思うかもしれません。

にわか知識のダイエットを卒業するには、知っておいた方がいいでしょう。

一般的な健康診断の血液検査では、肝機能に関わる値があります。A、B…等の判定結果だけをみるのではなく、自分で数値を確認するようにしてください。

  • AST(GOT)とALT(GPT)の数値

AST:肝細胞と心筋、骨格筋に多く含まれる酵素 
ALT:肝臓のみに多く含まれる酵素

肝臓に障害があると、どちらも血液中に漏れ出てくるので値が上昇します。

  もし検査の基準値を超えている場合、

ALT>AST:アルコール性肝炎、肝硬変 等の疑い

AST>ALT:急性・慢性肝炎、脂肪肝 等の疑い

ASTのみ高い:心筋梗塞、多発性筋炎、溶血性貧血 等の疑い

参考:AST(GOT)/ALT(GPT) | 東京メディカルクリニック

 

  • γ-GTP

肝臓の解毒作用に関係する酵素。
とくに過度の飲酒によるアルコール性肝障害で値が上昇。一部の薬でも上昇します。

基準値より高い:アルコール性肝障害、閉塞性黄疸、胆石症、肝炎、急性膵炎 等の疑い

参考:AST(GOT)/ALT(GPT) | 東京メディカルクリニック

肝臓は代謝にかかわる最重要臓器

と言っても過言ではありません。

 

血液検査で推定する『肝機能障害』

AST(GOT):基準値 7~38 IU/L …脂肪肝、肝硬変など

ALT(GPT):基準値 4~44 IU/L…脂肪肝、肝硬変など

γ-GTP:基準値 男 80 IU/L以下 女 30 IU/L以下…肝障害(アルコール、薬剤)、肝硬変など

*基準値は検査機関によって異なります。
参考:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP | 肝炎net

 

血液検査結果に肝臓に関する所見があるた方は特に注意!
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、悪化しても気付きにくいのですよ!

参考記事:痩せたいけど飲みたい!ダイエットしながら上手にアルコールと付き合う方法(準備中)

 

 

腎臓

腎臓が占める基礎代謝エネルギーの割合は「8%」 。心臓「 9% 」とほぼ同等ですね。

ダイエットや美容に密接にかかわる臓器です。

 

腎臓の役割

腎臓の主な役割は、血液をろ過し不要物を尿として排泄するデトックスです。それ以外にも、体の状態をコントロールするいくつかの機能があります。

腎臓の主な役割

  • 老廃物や水分の排出
  • 塩分濃度の調整
  • 体内のpH調整
  • 血圧の調整
  • 骨の代謝に関わるビタミンDの生成

 

このように腎臓では、体液のバランスを一定に保つため、血液をろ過して尿という形で老廃物や水分などを排泄しています。

機能低下は、基礎代謝の低下を意味し、ダイエットや美容にも悪影響を及ぼします。

 

腎臓の機能を低下させる原因

  • 肥満
  • 喫煙
  • 多量の飲酒
  • 運動不足
  • ストレス
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

やはり、気をつけるべきは「食生活」と「生活習慣」です。

特に注意すべき『食生活』

  • 塩分の摂りすぎ:過剰な排泄が必要になり腎臓に負担
  • 糖質(炭水化物)の摂りすぎ:血管が硬くなり腎臓ろ過機能の低下
  • タンパク質の摂りすぎ(腎機能に障害がある人):尿素、クレアチニンなど老廃物排泄機能の低下

注意すべき『生活習慣』

  • 喫煙 :血管収縮、血圧上昇
  • 運動不足 :血液循環が悪くなる
  • 不規則な生活:自律神経が乱れて機能低下
  • 水分不足:脱水は腎機能低下を招く
  • 排尿の我慢:腎臓やぼう胱に負担をかける

デトックス臓器の腎臓は、ダイエットにも美容にも重要な役割があるのです!

 

8人に1人が慢性腎臓病!

なんと日本人の8人に1人が慢性腎臓病とその予備軍とのこと。

腎臓は、肝臓と同様に「沈黙の臓器」と言われます。

あなたの腎臓は健康ですか? 問題あればダイエットどころじゃないですから。

簡易的な確認方法

  1. 尿検査
    タンパク尿が出ているかをみる:(-)(±)(+)(2+)…
  2. 採血
    筋肉からでるクレアチンの量をみる:Cr

 

血液検査で推定する『腎機能障害』

  • Cr(クレアチニン):基準値 男 1mg/dl以下、女 0.70mg/dl以下
    筋肉を使うと出る老廃物で、腎臓で排泄される。これが高いと腎機能低下。

  • eGFR(推算糸球体ろ過量):基準値:60.0ml/分/1.73㎡ 以上
    老廃物を尿に排泄する腎臓の能力。1分間にろ過している血液の量。

*基準値は検査機関によって異なります。

参考:
・おしっこと採血から分かること | 腎らいぶらり
・腎臓 が悪い 時に出る超 危険症状 7選
・腎臓にやさしい生活習慣を知ろう | ADPKD.JP
・腎機能検査 | 橋本病院

 

肝臓同様に、健康な腎臓なくしてダイエットできませんからね!

 

小腸

小腸が占める基礎代謝の割合は、円グラフの「その他」に含まれ、それほど大きくありません。

ですが、小腸は基礎代謝を助ける器官として重要です。

それは、小腸そのものの代謝エネルギーではなく、『腸内環境が代謝効率に影響する』 からです。

 

小腸の役割

小腸の役割は、「栄養素の消化・吸収」です。

長さ6メートル程の筋肉の管で、胃で消化された栄養素を、消化酵素によってさらに細かく分解します。

細かくなった栄養素は、ミミズが這うような蠕動(ぜんどう)運動によって、送られながら吸収されて血液に放出され、残った粥状のものを大腸へ送り出します。

代謝とは、体内でおこる物質の化学変化やエネルギーへの変換のこと。栄養素の合成・分解もその1つです。

その代謝を行う前には、「栄養素を体内に吸収する」という大事なプロセスがあります。

それが、小腸の役割です。

そのため、「腸内環境の悪化は、基礎代謝の効率を下げる」 ことにつながるのです。

 

小腸の機能を低下させる原因

腸内細菌の「悪玉菌」が増えると腸内環境が悪化します。

腸内には細菌が、1000種類、100兆個 生息しています。腸内フローラとも呼ばれます。

細菌は大きく3つに分類され、一般的に、次の割合で存在します。

腸内フローラの菌の割合
  • 善玉菌:20%
  • 日和見菌(どちらでもない中間の菌):70%
  • 悪玉菌:10%

年齢、食習慣、生活環境によって個人差はありますが、おおむね、このようにバランスが保たれています。

悪玉菌はタンパク質を分解して排泄する役割もあるので、一概に「悪」とは言えないのですが、増えすぎると腸内環境を悪化させるのです。

一定量は必要だけれど、増え過ぎると問題なのが「悪玉菌」です。

要するに、バランスが大事とうこと。

 

悪玉菌を増やす原因

・肉類などのタンパク質や脂っこい食事が多い

・野菜、海藻、穀類などの食物繊維が少ない

・納豆、漬物、ヨーグルトなどの発酵食品が少ない

・不規則な生活習慣

・ストレスが多い

参考:
・腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
・腸内細菌叢(腸内フローラ)とは | 健康長寿ネット

こちらの記事も参照してみてください。

『ダイエットと腸活』(準備中)

 

基礎代謝の計算と1日の消費カロリー

あなたの基礎代謝量が分かれば、1日の消費カロリーを計算できます。

さらにそれを元に、1日の目標摂取カロリーを決めることもできるのです。

ダイエットするには、知っておいた方がいい知識ですね。

 

基礎代謝エネルギーの計算

実際に、あなたの1日の基礎代謝エネルギーを計算してみましょう。


 
参考: 国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)

 

このように基礎代謝エネルギーは、「性別」、「体重」、「身長」、「年齢」で計算されます。

お気づきかもしれませんが、基礎代謝を上げるには筋肉を付けることが有効と言われていますが、基礎代謝エネルギーの計算では、筋肉や体脂肪といった区別はないのです。

あくまで目安と言うことですが、自分の基礎代謝エネルギーを知ることは、必要カロリーを意識する上で大事なことです。

参考までに、

【条件】性別…女性、体重…55 kg、身長…155cm、年齢…29歳

で基礎代謝エネルギーを計算すると、

 1171 kcal

となります。

 

自分の基礎代謝エネルギーは覚えておきましょうね!

 

1日の消費カロリーの計算

「基礎代謝エネルギー」を計算できたところで、次に、「1日の消費カロリー」を計算してみましょう。

1日の消費カロリーは、「基礎代謝エネルギー」と「身体活動レベル」から求めることができます。

1日の消費エネルギー = 基礎代謝エネルギー x 身体活動レベル

つまり身体活動レベルとは、「1日の全消費エネルギーは、基礎代謝エネルギーの何倍か」を表す数値です。

では「身体活動レベル」を確認しましょう。

身体活動レベル

身体活動レベルは、次の順で確認します。

(1)日常活動レベルを3段階で判断:低い、ふつう、高い

(2)年齢別に数値を確認する

(1)日常活動レベルの目安

レベルⅠ(低い)
一日の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

レベルⅡ(ふつう)
座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合

レベルⅢ(高い)
移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

たとえば、 あなたの1日の活動がデスクワークを中心とするなら、「レベルⅡ」です。

(2)年齢階級別の身体活動レベル

下表を見て、年齢と日常活動レベルで「身体活動レベル」の値を確認する。

年齢階級別にみた身体活動レベル

参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版)| 厚生労働省

たとえば、あなたが 29歳、活動レベルⅡ ならば、身体活動レベルは、「1.75」です。

以上であなたの「基礎代謝エネルギー」、「身体活動レベル」の値が出そろいました。

さて、あなたの1日の全消費エネルギーはいくらでしょうか?

1日の消費エネルギー = 基礎代謝エネルギー x 身体活動レベル

先に計算した値を使用すると、

  • 基礎代謝エネルギー:1171 kcal
  • 身体活動レベル:1.75

 

1日の消費エネルギーは、

1171kcal x 1.75 = 2045 kcal

となります。

 

このように、あなたの1日の全消費エネルギーを「しっかりと」覚えておきましょう!

なぜなら、この値を元に、あなたの目標摂取カロリーが決まるからです。

 

1日の消費カロリーを把握することがダイエットの基本!

 

1日の摂取カロリーの計算

ダイエットでは、

「1日の消費カロリーを知り、1日の摂取カロリーを管理する」

のが基本です。

当然ながら1日の摂取カロリーは、消費カロリーよりも少なくする必要があります。

1日の消費カロリー > 1日の摂取カロリー

ですが、ただ少なくすればいいわけではありません。

ダイエットするときの摂取カロリーの目標値は、

  • 無理をせず
  • 健康を害さず
  • 続けられる

必要があります。

急激な減量は、リスクを伴うことはもう理解していますよね。

もし未だでしたら、こちらの記事を参照してみてください。

→ダイエット初心者にやさしい!『目標体重』と『減量ペース』の決め方(準備中)

 

 

基礎代謝が下がる5つの要因とその予防

基礎代謝が下がる原因を知れば、予防することができます。

ダイエットするなら知っておきたい知識ですね。

ここでは、基礎代謝が下がる5つの原因についてご説明します。

 

原因1:筋肉量の低下

筋肉量の低下は消費エネルギーの減少につながります。

筋肉で消費されるエネルギーは、

  1. 筋肉そのものを動かすエネルギー
  2. 疲労した筋肉を修復、強化するための代謝エネルギー

の2つあります。

②が基礎代謝によるエネルギー消費です。

筋肉を酷使するほど筋肉への血流量が増加し、運動していない安静時でも、代謝エネルギーとして消費され続けるのです。

ダイエットで体脂肪を落としたい人にとって、筋肉はありがたい存在。

ですが、生命維持機能を管理している脳からしてみれば、エネルギーを無駄に消費してしまう筋肉は、必要がなければ減らそうとするのです。

ですから、筋トレはダイエットに効果的である一方、続けないと効果は一時的なものになってしまうのです。

ダイエットで筋肉をつけるなら、無理せず続けれる運動計画を!

 

原因2:内臓機能の低下

基礎代謝エネルギーの約60%は内臓で消費されます。

主な器官は、肝臓21%、脳20%、心臓9%、腎臓8% でしたね。

その中でも、生活習慣によって基礎代謝に悪影響を及ぼしやすい器官は、肝臓、腎臓、小腸 です。

 

肝臓

役割:栄養素やエネルギーの代謝、有害物質の解毒

悪要因:肥満、過度の飲酒、寝不足、運動不足、ストレス

腎臓

役割:血液のろ過(老廃物、余剰塩分の排出)、血液・体液の調整

悪要因:肥満、喫煙、過度の飲酒、運動不足、ストレス

小腸

役割:栄養素の消化・吸収

悪要因:食物繊維の不足、過度の飲酒、寝不足、運動不足、ストレス

 

  • 肝臓、腎臓は沈黙の臓器。症状に表れなくても代謝機能が大きく低下している場合がある。
  • 小腸は、脳に次いで神経細胞が多く「第二の脳」と言われるほど。腸内環境は体の状態に表れやすい。

参考:腸は「第2の脳」といわれていますが、「第1の脳」かもしれません | いそだ病院

 

脳の基礎代謝量は全体の20%を占めますが、いくら思考をめぐらせ頭をフル回転させても、エネルギー消費量はあまり変わりません。

たくさん勉強すると脳は疲れますが、エネルギー消費量はわずかなのです。

残念ながら、ダイエット効果はありません。

参考:How Many Calories Can the Brain Burn by Thinking? | LIVE SCIENCE

 

ダイエットでは「食事管理」や「運動」に加えて、「内臓の管理」も大事! 

詳しくは、こちらも読んでみてくださいね。→ 内臓管理ダイエット(準備中)

 

原因3:加齢

10代までの体の成長が、基礎代謝が高い理由でもあります。

一般的に、歳をとれば基礎代謝量は下がっていくのです。その原因は2つあります。

  1. 活動量の低下
  2. 筋肉量の減少

 

①活動量の低下

仕事内容や生活環境によりますが、一般的に歳をとれば行動量、活動量が減っていきます。

基礎代謝の消費エネルギーそのものは、活動量とは直接関係ありません。

ですが、身体を動かすことによって、体内組織の活動も活発になり、代謝が活性化します。

たとえば、運動すると筋肉は疲労しますよね。

疲労した筋肉は、栄養と休息によって回復しますが、それは細胞の修復が行われているのです。

それにより、血流の増加、新陳代謝、エネルギー代謝が活発になり、基礎代謝エネルギーが消費されるわけです。

「歳をとると運動量が減り、基礎代謝をうながす機会が減る」

言い換えれば、歳をとっても運動を続けていれば、筋肉量を維持でき、基礎代謝を上げることもできるということですね。

 

②筋肉量の減少

一般的に、歳をとると筋肉量が減少します。

筋肉は酷使すると損傷し、修復され、成長もしますが、使われなければ退化します。

活動量が減って使う機会が少ないと、宇宙に数ヶ月滞在した宇宙飛行士のように、地球に帰ってくると立てなくなるほど筋肉が衰えるのです。

 

歳をとると筋肉の合成スピードが落ちる

筋肉はつねに分解と合成を繰り返しており、栄養と運動量が筋肉の増減を決める要素となります。

それに加えて年齢によっても、筋肉の合成スピードが変わります。

筋肉のタンパク質を合成する速度は、歳をとるごとに、これほど低下してしまうのです。

 

女性ホルモン・エストロゲンの減少

女性の場合、更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少し、それによって筋肉が減少しやすくなります。

更年期以降では、筋肉が落ちやすく体脂肪が付きやすいため、体型維持には日頃から運動を心掛けて、筋肉を維持することが大事なのです。

参考:
・骨格筋の発育と再生メカニズムに性差あり―エストロゲン受容体βの機能的重要性を解明―
・加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

更年期を迎える前に、運動習慣を身につけましょう。
若いうちに意識付けを!

 

原因4:栄養不足

私たちは、食べ物から栄養を摂り、身体をつくったり、活動したりします。

栄養が足りないと、そのための代謝(合成や分解)をスムーズに行うことができません。

つまり基礎代謝を低下させるのです。

栄養素は、次のようなくくりで言う事があります。

  • 3大栄養素:タンパク質、脂質、糖質
    エネルギーとなる、体の構成要素となる

  • 5大栄養素:3大栄養素 + ビタミン + ミネラル
    ビタミンとミネラルは、エネルギーにはなりませんが、体づくりの補助、代謝をうながすのに欠かせません

  • 6大栄養素:5大栄養素 + 食物繊維
    食物繊維は、小腸で消化吸収されない炭水化物で、エネルギーをもちますが、人の体ではエネルギーにはなりません。

 

「炭水化物」=「糖質」ではありません。

炭水化物=糖質+食物繊維

 

  • 糖質:消化吸収される、エネルギーになる
  • 食物繊維:消化吸収されない、エネルギーにならない

草食動物は、腸内細菌によって分解・消化・吸収し、エネルギーにできます。

ダイエットと言うと「カロリー制限」ばかりが意識されますが、それだけでは栄養不足に陥ります。

3大栄養素だけをとっても、3つの栄養素それぞれ違う役目があるからです。

 

カロリー制限によって、

エネルギー効率の良い「糖質」を、極端に制限するのもNG!

細胞、神経、ホルモンなど体の材料となる「脂質」を極端に制限するのもNG!

筋肉、皮膚、血液成分、骨などの体の材料となる「タンパク質」が少ないのもNG!

摂りすぎももちろんNGだけれど、減らし過ぎもNGなのです。

もしあなたが、1ランク上のダイエットをしたければ、3大栄養素だけではなく、5大、6大栄養素まで意識していきましょう。

先ずは、次の3点を確認することから始めてみてください。

栄養バランスを考えるポイント

  1. どの栄養素がどれだけ必要か : 摂取量の目安を知る
  2. 何を摂り過ぎて、何が不足しているか : 食事、生活習慣を確認する
  3. 何を意識して摂るべきか : 食材の種類と適量を知る

間違いダイエットの1つ「カロリー制限ばかり意識」していると、必要な栄養素が不足していることに気付かず、筋肉が減ったり、美容や健康を損なうことにもつながります。

 

カロリー制限だけのダイエットは、卒業しましょう!

 

興味があれば、あなたもダイエットのプロフェッショナルを目指してみませんか?
→ ダイエット検定 | 日本ダイエット健康協会 

 

原因5:自律神経の乱れ

基礎代謝は自律神経によってコントロールされています。

自律神経について

自律神経は、対称的な2つの神経を切り替えながら、心身の状態をコントロールしています。

2つの自律神経

  • 交感神経:活動的にする神経、エネルギー消費
  • 副交感神経:休息をうながす神経、エネルギー補給・温存

それぞれが優位になる状態とは、たとえば、

「運動する」と「交換神経が優位」になり、下記の体の反応が起こります。

  • 心拍数が上がる
  • 血圧が上がる
  • 呼吸が早まる
  • 血糖値が上がる
  • エネルギー生成が活発になる

 

「食事をする」と「副交感神経が優位」となり、下記の体の反応が起こります。

  • リラックスする
  • 消化器官が活発になる
  • 食事による血糖値の上昇をおさえる
  • エネルギーを蓄える

というように、状況に応じて自然に自律神経が切り替わり、心や体の状態も変化します。

 

自律神経が乱れると基礎代謝も下がる

自律神経が乱れると、

・やる気がでない
・気だるい
・イライラする
・頭痛、腹痛、めまいがする
・不安になる
・食欲がない

など、交感神経、副交感神経がうまく働かない状態になります。

効率良く体が機能しないので、当然、基礎代謝も低下します。

 

自律神経の乱れを防ぐには?

自律神経の乱れを防ぐには、規則正しい生活習慣をもつことです。

サーカディアンリズムを乱さない

サーカディアンリズムとは、別名、概日リズム、体内時計とも言われます。

地球上に生きる動物は、1日を周期として活動しており、自律神経も自然に切り替わるしくみが備わっています。

朝起きてから夕方まで:交感神経優位

夕方から朝起きるまで:副交感神経優位

 

規則正しい生活習慣

規則正しい時間に食事をすると、生活のリズムとして体は学習し、自律神経のリズムを整えます。

「規則正しい」とは、あなたにとって最適なリズムのことで、特定の時間帯を言っているわけではありません。

また適度な運動をすることは、交感神経を高め、運動後には副交感神経に切替わりやすくなります。

このように、規則的な生活習慣をベースとして、血流や代謝の変化にメリハリをつけることで、心や体の健康維持につながるのです。

自律神経を安定させる生活習慣

  • 睡眠:疲れが取れること、決まった時間に起きること
  • 食事:決まった時間に食事をとる
  • 運動:少し心拍をあげる適度な運動
  • 入浴:適度な湯温でゆったり浸かる

など。

 

詳細は、こちらの記事を参照してみてくださいね。
→ダイエットを効率的に行う自律神経の整え方(準備中)

基礎代謝が低下する原因をつぶすだけでも、ダイエット効果は大きい! 

 

 

『筋肉による基礎代謝の効果』女子学生98人による調査

「筋肉による基礎代謝アップの効果」がどれくらいか気になりませんか?

これを知ることで、筋トレのモチベーションのアップにつながるかもしれません。

そこで、その効果を実際に確認した研究調査を見つけましたので、ここでご紹介します。

筋肉を付けることが、ダイエットに効果的か、メリハリのある体型になれるか、がわかります。

参考資料:「体脂肪率」と「基礎代謝」の関係について | 逢坂 秀樹(鳥取短期大学)

研究調査の内容

この研究調査では、女子学生98名を対象に、

  • 特に運動をしていない「一般学生」
  • 運動をしている「運動系学生」

に分けて、「体脂肪量」「基礎代謝量」を測定して、「体重」や「身長」との相関性をみています。

(1)調査対象:女子学生98名(18~19歳)
     ・一般学生  67名
     ・運動系学生 31名

(2)測定項目:身長、体重、 体脂肪率 (%)、基礎代謝 (kcal)

「運動系学生は一般学生より筋肉量が多い」と考えられます。

この比較によって、筋肉量と体脂肪が基礎代謝にどのように影響しているかを読み取ることができます。

 

測定の結果

女子学生の身体情報調査データ身体データの平均値

一般学生と運動系学生の平均身長は、わずかな差でしたが、他の数値に明らかな差が見られました。

 

 結果の考察

研究論文から読み取った私の考察です。

運動系学生は、一般学生より「体重が12% 重い」

筋肉は脂肪よりも重いので、筋肉量が多い運動系学生は当然重くなります。

ちなみにそれぞれの比重は、

  • 水:1.0 g/cm3
  • 筋肉:1.1 g/cm3 (水に沈む)
  • 体脂肪:0.9 g/cm3(水に浮く)

です。

運動系学生は、一般学生より「BMIが11%大きい」

肥満度の指数として、BMI (Body Mass Index) がよく使われます。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

計算式から分かるように、「筋肉」と「体脂肪」を区別する要素はありません。

よって運動系学生のBMIが高いのは、肥満度が高いわけではありません。

運動系学生は、一般学生より「体脂肪率が1.2%高い」

運動系学生の方が高いのは、少し疑問に思うかもしれません。

ですが、体重の差+12% に比べると、体脂肪率の差 +1.2% はわずかです。

また同じ体重の学生で両者を比較した場合、運動系学生の方が体脂肪率が低いことから、あながち間違いではないことがわかります。

運動系学生はエネルギー消費が多いため、蓄える脂肪エネルギーも多くなると考えられます。つまり、筋肉も多いが体脂肪も多く、トータルで体重が重いと言うことができます。

運動系学生は、一般学生より「基礎代謝が15.4%高い」

一般学生と比べ、はっきりと差にあらわれています。

体重に大きな差(+12%)があり、体脂肪率(+1.2%)はそれほど変わりません。

よってその体重の差は、体脂肪を除いた、除脂肪体重(筋肉、骨、内臓、水分などの総重量)に大きな差があると言えます。

ここで、内臓の重さに差があるとは考えにくく、運動系学生は骨量と水分量が多いと考えられますが、これらは基礎代謝の差にはあらわれません。

 

したがって、運動系学生が一般学生より基礎代謝が高い理由は、

筋肉の「量」と「質」が基礎代謝に大きく影響を及ぼしている

と言うことができます。

ここで言う筋肉の「質」とは、まさに「基礎代謝を上げる効率」なのです。

 

運動すると、筋肉量が増え、質も上がる!
→ 基礎代謝が上がる!

 

『夏と冬』の基礎代謝、どっちが高い?

基礎代謝は、「夏」と「冬」どちらが高くなるでしょうか?

汗をたくさんかく「夏」の方が代謝が良いのでは!? と思われがちですが、実は逆。

「基礎代謝とは」でご説明したように、「体温の調節」も基礎代謝によるものだからです。

ご存じのように人間は恒温動物。

一定の体温を保つように体はコントロールされています。

そのため「冬」は「夏」よりも体温を維持するために多くのエネルギーを必要とし、基礎代謝が活発になるのです。

寒くなると起こる体の反応は、3つあります。

体温維持の反応(1): 鳥肌が立つ

立毛筋が収縮し、毛を逆立てて保温効果を高めます。

人間は進化の過程で体毛が薄くなりましたが、その機能は残っています。

体温維持の反応(2): 体が震える

筋肉を震わせて体温を上げます。

 

体温維持の反応(3): 褐色脂肪細胞が活発化

一般的に体脂肪と言うと、「白色脂肪細胞」のことを指します。

褐色脂肪細胞は体にわずかしかありませんが、肩甲骨回りや脇の下などに分布し、エネルギーを作り出す脂肪細胞なのです。

詳しくは、こちらを参照してみてください。
→ 体脂肪が燃焼する『褐色脂肪細胞』データに基づく正しい知識(準備中)

 

このように冬の寒い時期の方が、体温を維持するための機能が活発になり、基礎代謝が高まるのです。

同じエネルギー摂取量と運動消費量なら、冬の方が痩せやすい!

 

 まとめ

「ダイエットのための基礎代謝の知識」について解説してきました。

筋肉をつければ、もちろん基礎代謝は上がります。

ですが何よりも『健康な体を保ち続けること』が、基礎代謝が高い状態にあるのです。

それは基礎代謝の約60%が「正常な内臓機能」によるものだからです。

それには、運動、食事、睡眠を基本とする規則正しい生活習慣がベースになってきます。

 

またダイエットでは、どうしてもカロリー制限ばかりに意識がいってしまいます。

カロリー制限も必要ですが、やり過ぎは栄養不足をまねく結果となります。

たとえダイエットして痩せられても、体調を悪くする、筋肉を減らす、リバウンドする といったことが起こるのです。

基礎代謝を意識して、あなたの食習慣と生活習慣を見直し、効率良くダイエットしていきましょう。